イーサリアムのスマートコントラクトとは何か?仕組みや事例、メリットについて分かりやすく解説

      2018/03/14

イーサリアムの最大の特徴はスマートコントラクトだといっても過言ではないかもしれません。

ビットコインの誕生以降、たくさんのアルトコインが誕生しましたが、現時点ではイーサリアムが最も有名であり、最も市場規模の大きいアルトコインです。

スマートコントラクトとは

スマートコントラクトとは

その理由のひとつであるイーサリアムのスマートコントラクトは、ビットコインには実装されておらず、イーサリアムビットコインの大きな違いとなっています。

では、このスマートコントラクトとはどのような機能なのでしょうか。

スマートコントラクトの定義

実は、スマートコントラクトの定義は固まっておらず、現在も議論され続けています。
そのため、今回はなるべく一般的な定義を紹介します。

スマートコントラクトという言葉は、1994年に法学者であり暗号学者のNick Szaboによって提唱されました。
これはビットコインをはじめとした仮想通貨が生まれる前のことです。

Szabo氏はスマートコントラクトの初期段階の例として、自動販売機をあげています。
いまとなっては当たり前ですが、自動販売機はあらかじめ決められた金額が入金され、特定のボタンが押されると、それに応じてジュースが出てきます。

「自動販売機」は文字通り、自動で販売してくれる機械です。
このように、一定の条件をあらかじめ定め、その条件が満たされたときに、自動で契約が履行されることをスマートコントラクトと説明しています。

スマートコントラクトの「コントラクト」とは契約のことで、「スマート」は直訳すると賢いという意味です。
「スマートフォン」が賢い電話だとすれば、「スマートコントラクト」は賢い契約と直訳することになるでしょう。

スマートコントラクトの仕組み

スマートコントラクトの仕組み

イーサリアムのスマートコントラクトでは、自動販売機のかわりにイーサリアムというプラットフォームを用いて、このスマートコントラクトを実現することになります。
つまり、イーサリアム上であらかじめ契約条件を定めておいて、その条件が満たされたときにイーサリアムが契約を履行させるのです。

ビットコインと同様に、イーサリアムはブロックチェーンという仕組みを利用して管理されています。
ブロックチェーンとは取引情報を記録した台帳のようなものです。

一定期間の取引情報をブロックにまとめ、そのブロックが世界中の参加者によって承認処理されます。
次の期間のブロックも同様に承認処理され、前のブロックの次に繋げられます。

このように取引記録をブロックにして、最初から現在までを時系列に繋げていくことで、取引の安全性を担保しているのです。
さらに、このブロックチェーンは中央サーバーではなく、インターネット上にたくさん複製され、保存されています。

つまり、一つのブロックチェーンを改ざんしても、他の大多数のブロックチェーンと照合すれば、すぐに不正だとばれてしまうのです。
ビットコインはこのブロックチェーンに仮想通貨の取引情報のみを記録するように設計されています。

一方、イーサリアムはこのブロックチェーンに仮想通貨の取引情報だけでなく、契約条件などを記録できるように設計されているのです。

スマートコントラクトの何が優れているのか

従来のスマートコントラクトという考え方をイーサリアムによって実現することで、革命的なサービスが生まれるのではないかと考えられています。

ここでは、イーサリアムによるスマートコントラクトのメリットや事例について紹介します。

スマートコントラクトのメリット

イーサリアムによるスマートコントラクトのメリットは、契約履行のオートメーション化です。
既にご説明したようにブロックチェーンという仕組みを利用することで、改竄や不正といったリスクを防ぐことができます。

また、イーサリアム上で自動的に実行されるため、人的コストや仲介コストなど、大幅にコスト削減することが可能です。
さらに、仮想通貨取引同様に24時間365日つねに対応できる状態にあります。

スマートコントラクトの事例

これらのメリットを活かして、音楽配信から著作権の管理まで実現しようとするサービスが試みられています。
従来の音楽配信サービスでは、アーティストが楽曲販売をする際に配信サービス会社はもちろん、レコード会社など多数の仲介コストがかかってしまい、それとは別に著作権の登録・管理も必要でした。

スマートコントラクトを活用することで、この仲介コストや著作権管理をまとめて解決しようと複数の企業が取り組んでいます。
例えば、イーサリアムの通貨であるイーサによって支払いを受け取るように条件を定め、条件が満たされたら楽曲の配信をするように自動化することができます。

こういった配信サービスだけでなく、ブロックチェーン上に著作権情報を記録することで、誰でも安全かつ公正に権利を取得することが可能です。
イーサリアムによるスマートコントラクトはまだまだ新しい技術のため、広く流通したサービス展開はできていませんが、大企業からベンチャーや個人まで多くの人達がこうした新しいサービスの開発に取り組んでいます。

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